【日本図書館協会・選定図書】
日本文学研究の第一人者として世界的に著名なドナルド・キーン氏が、
1991年に中国の杭州大学で行った講義を主内容とする。
四回の講義の中に、氏のそれまでの約40年にわたる研究のエッセンスが凝縮され、
きわめてわかりやすい日本語で語られている。
ユーモラスな語り口でありながら、文学の真髄に鋭く迫っている。
全章を通して、日本人が意外に知らなかった史実や人名が多数登場し、
新しく出会う知識のとりこになる本。
こうした本文に加えて、著者の序文と中国杭州大学(現:浙江大学)の
王勇教授の情感あふれるあとがきが面白い。
日本文学の専門家でなくとも楽しく読める本。